「良いサービス」ではなく「合うサービス」を探す
評価の高いサービスが自分に合うとは限りません。多機能なサービスは、その機能を使う人にとって価値がありますが、使わない人にとっては操作を複雑にするだけの要素になります。
選ぶときの問いを、「どれが一番いいか」から「自分の使い方に必要なのはどれか」に置き換えると、比較の軸がはっきりします。
使い方から逆算する3つの質問
候補を見る前に、次の3つに答えてみてください。
- 何を解決したいのか。「情報を整理したい」ではなく「打ち合わせのメモを後から探せるようにしたい」のように、具体的な場面で書きます。
- どのくらいの頻度で使うのか。毎日使うのか、月に数回なのかで、求める操作性の水準が変わります。毎日使うなら、起動の速さや入力のしやすさが効いてきます。
- 誰と使うのか。自分だけなのか、共有するのか。共有するなら、相手が同じサービスを使えるか、アカウントが必要かも条件になります。
この3つが決まると、候補の多くは「必要な条件を満たしていない」という理由で外れます。残ったものだけを比べれば十分です。
無料プランの見極め方
無料プランは試すのに便利ですが、確認しておきたい点があります。
制限がどこにかかっているか
保存容量、作成できる件数、履歴の保存期間、共有できる人数など、制限の種類はさまざまです。自分の使い方で最初にぶつかる制限がどれかを見ておくと、有料化のタイミングを予想できます。
無料のまま使い続けられるか
期間限定の無料体験なのか、機能を制限した無料プランが継続的に提供されるのかは区別して確認します。前者の場合、終了後の料金と自動課金の有無を必ず確認してください。この点はサブスクを契約する前にチェックしたいポイントで詳しく扱っています。
続けられるかを左右する2つの観点
データを持ち出せるか
入力したデータをエクスポートできるかどうかは、長く使うほど重要になります。CSVやテキストなど汎用的な形式で書き出せるサービスは、あとで別のサービスに移りたくなったときの負担が小さくて済みます。
逆に、独自形式でしか取り出せない場合、データが増えるほど移行しにくくなります。使い始めの段階では気になりませんが、数年使ったあとに効いてきます。
やめたときに何が残るか
解約後、データがどうなるかを確認します。一定期間は閲覧できるのか、すぐに削除されるのか、有料プランに戻せば復元できるのか。サービスによって扱いが異なります。
試すときのコツ
いきなり本番の用途で使い始めず、まず1週間ほど実際の作業で使ってみて、操作が面倒に感じる箇所がないかを確かめると、判断を誤りにくくなります。
アカウントとセキュリティの観点
Webサービスは、アカウントを作って使うものがほとんどです。長く使うことを想定するなら、次の点も確認しておくと安心です。
ログイン方法とアカウントの独立性
SNSアカウントで連携ログインできるサービスは登録が簡単ですが、連携元のアカウントが使えなくなると、こちらのサービスにも入れなくなることがあります。重要なデータを扱う場合は、メールアドレスとパスワードで独立してログインできるほうが安全です。
二要素認証に対応しているか
仕事の資料や個人情報を扱うサービスであれば、二要素認証(パスワードに加えて別の確認を行う仕組み)に対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
提供元と運営の継続性
誰が提供しているサービスかは、公式サイトの会社情報から確認できます。サービスが終了する可能性はどれにもありますが、そのときにデータを持ち出せるかどうかが分かれ目になります。前の章で触れたエクスポート機能は、ここでも効いてきます。
まとめ
Webサービス選びは、情報を集めるほど迷いやすくなります。先に自分の条件を決めておくことが、いちばんの近道です。
- 目的・頻度・共有相手の3つを先に決める
- 使わない機能は評価に入れない
- 無料プランの制限と、無料が続くのかを確認する
- データを汎用形式で書き出せるか確認する
- 解約後のデータの扱いを見ておく
比較全般の考え方は商品・サービスを比較するときに確認したい5つのポイントにまとめています。